腱鞘炎(ばね指・弾発指)、前腕腱鞘炎
部位により、傷病名が異なりますが、腱とそれを覆う腱鞘が使い過ぎ(摩擦)が原因の疾患です。 患部組織が損傷され修復過程で炎症症状が現われます。 軽度の痛みや圧痛・違和感、弾発現象の出現前の対処、初期治療が悪化・慢性化を防止するために大切です。
前腕部の腱鞘炎(長・短橈骨手根伸筋、総指伸筋の過使用による外側上顆炎(テニス肘)ですが、ここでは一緒に考えます。内側上顆炎(ゴルフ肘))、ドゥ・ケルバン腱鞘炎(母指の腱鞘炎・手首の腱鞘炎)等、
難治性のケースもありますが、患者さんも多く見られる分野です。
自身で脱着できる固定具を手の酷使する場合は使用する事もあります。
電気治療、指圧、マッサージ、ストレッチも、一定の効果はありますが、鍼(はり)が効きます。併用しても大丈夫です。
患部にのみ施術するわけでは無く 炎症症状が強い場合敢えて患部にはせず、離れた所を取穴(鍼灸)する場合もあります。
基礎疾患が隠れていたり、体調不良、休養・睡眠不足が関係している症例も多いです。
その場合、お身体の背面を良く診て、背中のツボを取ると改善し易いです。
背部の取穴を、膈兪穴(かくゆ)とします。
横隔膜に近く、しゃっくり、あくびを治すので命名されましたが、食欲不振や喘息、血液に関係する疾患に効果が有り、血会と言い、臓腑気血筋脈骨髄の気が集まる八会穴の1つです。
総合的に診て、腕・手指の使い方、姿勢、生活習慣、お仕事の環境、食習慣も見直すとこも必要です。
医科では、消炎鎮痛剤の服用やステロイド注射をしばらく使用しても、効果が上がらない場合は、手術の選択肢もありますが、
癒着し易い方は特に、腱鞘炎の手術は、あまり予後が良くないと言われますので、悪化すると完治が望めない様々な病気と同様に、症状の軽いうちに治療開始と体調管理、環境改善が早く治すこつです。
休息が取れず、患部の安静も出来ず、手の使用頻度が高い状態が続き、持病の状態(糖尿病や合併症の内科疾患など)も芳しくない様な場合、悪化しない様に治療を続けながら、少しづづ回復を目指していくことになります。
個々の傷病の状態、生活環境や好みに合わせて消炎鎮痛剤と鍼灸・テーピング・装具(サポーター‥)を併用されて治療されている方もおりますので、ご相談下さい。
【「糖尿病と3大合併症」 日本人の6人に1人は、糖尿病予備軍と言われています。 一般的な2型は飲食の質・量・時間、運動不足などの生活習慣が大きく影響しています。 また、「血管ボロボロ病」と命名案も浮上したことを考えますと、栄養・酸素・免疫など大切な血液運搬が障害される訳ですから、体の様々な回復を妨げていることもうなずけます。 糖尿病3大合併症は、「し・め・じ 」神経障害.動脈硬化症(下肢に現れます)・網膜症(目の視覚細胞)・腎障害(浄水装置の様な毛細血管の塊)です。】 おもちの基礎疾患が傷病の回復に大きく影響している事が分かります。
糖尿病の鍼灸治療の場合は、食事療法を基本として代謝系のツボと取り、その後運動療法と組み合わせる(平行して行う)事は、投薬、食事療法、運動療法を組み合わせて行っている事と同様です。